6月中に渡英予定でしたが、まだビザが取得できていないので引き続き日本に留まっています。同種のビザを僕より1ヶ月前に申請した人にもまだ下りていないらしく、現時点では7月末頃をターゲットとしていますが8月にずれ込む可能性もありそうです。仕事ではすぐにいなくなる人間にアカウントを持たせるわけにはいかないとのことで、プロジェクトに一つ組み込まれている以外は完全に宙ぶらりん。トレーニングを受けているので勉強することも決して少なくはないのですが、今の部署やロンドンで同僚となる人とのリレーション構築に努めるしかなく、退屈といえば退屈な毎日です。ビザよ早くおりろー。
ただ、先日プロジェクトの関係で、社会人になって初めて、というよりも、記憶が明確にある中で初めての福井への出張は楽しめました。小松空港まで飛んで、福井市内まで車で約1時間、昼前にはほぼ要件を終えて、後は物見遊山という一日だったのです。
まずは、有名な越前そばを食べに永平寺近くの地元で評判という「けんぞう」に、名物という「五合そば」を注文しました。これは、ざるの上にそば玉が5つ並べて出され、①少し大きめのお椀に入れて、大根おろし入りのダシ、鰹節、ネギをかけて食べる「ぶっかけ」スタイル、②辛味大根を入れたツケダシにつけて食べる「ざるそば」スタイル、いずれかのスタイルで1玉ずつ食べます。そば粉100%の十割そばは、角が立ち過ぎず、喉越しがよく、コシがあって実に風味豊か。大根との相性が抜群で、越前そば、さすが名物と言われるだけあると感動したのでした。
けんぞう
次に向かったのは、文化元年(1804年)創業の蔵元「黒龍酒造」。僕はそれまで知らなかったのですが、日本を代表する吟醸蔵として名声を得ているらしいです。蔵が隣接した店の内部も木造で囲炉裏があり、古い日本民家を思わせる非常に趣深いものでした。お土産に大吟醸5号瓶を1本買ったので、冷酒で堪能したいと思います。
そして最後に、丸岡城を訪ねました。柴田勝家の甥柴田勝豊が天正4年(1576年)に築城した丸岡城は、現存する日本最古の天守閣を構え、国の重要文化財に指定されています。急な階段を登って天守閣の窓から福井平野を四方に見渡すと、不思議と戦国の武将たちに思いを馳せたのでした。水田が広がりこんなにものどかに見える場所で、一向一揆が頻発し、朝倉家が進出、柴田勝家麾下の前田利家や佐々成政が活躍していたことを思うと、悠久の時の移ろいを感じます。久しぶりにお城に来たのですが、たまには良いものですね。
と思い返しつつ書き綴りましたが、こんな出張楽しいに決まっています。ロンドン前に、あまり行ったことがない沖縄、高知、秋田、青森辺りを訪ねる機会がないか期待する次第です。